高度実践看護師教育について

高度実践看護師とは

対象のクオリティ・オブ・ライフの向上を目的として、個人、家族、および集団に対して、ケアとキュアの統合による高度な看護学の知識・技術を駆使して、疾病の予防及び治療・療養・生活過程の全般を統合・管理し、卓越した看護ケアを提供する者をいう。(日本看護系大学協議会)

高度医療看護師―専門看護師(14分野:山形大学では老年、小児)|ナースプラクティショナー(1分野:山形大学ではプライマリケア看護)

大学院教育にナースプラクティショナーと看護師の特定行為研修を導入する背景

  1. 高い専門性と優れた看護実践能力をもつ高度実践看護師(専門看護師、ナースプラクティショナー)の育成は、研究・教育者の育成と同様に大学院教育の使命である。
  2. 2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには,手順書により,一定の診療の補助を行う看護師を養成し,確保していく必要があり,各県に養成施設が必要である。
  3. 山形県においては,人的資源等から山形大学がその任を負っていくのが最適と考える。
  4. ナースプラクティショナー教育と特定行為研修は自律的な診療の補助という観点で共通性が高く,同時に導入することが,地域全体の人材育成の面においても望ましい。

ナースプラクティショナー教育課程とは

保健・医療・福祉現場において病院・診療所等と連携して、現にまたは潜在的に健康問題を有する患者にケアとキュアを統合し、一定の範囲で自律的に治療的もしくは予防的介入を行い、卓越した直接ケアを提供する高度実践看護師を養成する教育課程。(日本看護系大学協議会)

*「プライマリケア看護」教育課程

看護師の特定行為研修とは

看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修 (厚生労働省)

共通科目:看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力、並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、全ての特定行為区分に共通するものの向上を図るための研修 + 区分別科目:看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力、並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、特定行為区分ごとに異なるものの向上を図るための研修

山形大学における看護師の特定行為研修の特徴

  • 大学院教育としての位置づけ
  • 日本看護系大学協議会のナースプラクティショナー教育に、看護師の特定行為研修を組み入れた。
  • 日本の看護系大学で初の試み
  • 平成29年度から教育を開始

大学院における特定行為研修の人材育成目標

在宅等で,早期退院する患者や家庭で療養する慢性疾患をもつ患者の急性憎悪を含め様々な  訴えに対して,看護学と医学の視点から包括的なアセスメントを行い,患者の生活を中心にした健康管理から看取りまでのプライマリケア看護に必要な検査,臨床判断,治療の管理,治療効果の評価を自律的,かつ必要に応じて他職種と協働で実施できる人材を育成する。

具体例

  1. 在宅療養患者によくみられる疾患や症状に対する臨床判断能力が高まるため,医師への報告や受診勧奨などを的確にできる。
  2. 症状に対する初期対応を,手順書に基づきタイムリーに実施できる。
  3. 慢性的に経過している褥瘡などの治療・処置(壊死組織の切除含む)を手順書に基づいて実施でき,経過を医師に報告できる。
  4. クリティカルなケアを手順書に基づいて実施でき,経過を医師に報告できる。
  5. 在宅で看取る予定のがん患者の疼痛緩和を手順書に基づきタイムリーに実施できる。

本学で実施する特定行為区分(16区分29行為)

区分名 特定行為名
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 経口用気管チューブ又は経鼻気管チューブの位置の調整
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 侵襲的陽圧換気の設定の変更
非侵襲的陽圧換気の設定の変更
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
人工呼吸器からの離脱
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 気管カニューレの交換
腹腔ドレーン管理関連 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む。)
ろう孔管理関連 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
膀胱ろうカテーテルの交換
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 中心静脈カテーテルの抜去
創傷管理関連 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
創傷に対する陰圧閉鎖療法
創部ドレーン管理関連 創部ドレーンの抜去
動脈血液ガス分析関連 直接動脈穿刺法による採血
橈骨動脈ラインの確保
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
脱水症状に対する輸液による補正
感染に係る薬剤投与関連 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリンの投与量の調整
術後疼痛管理関連 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
循環動態に係る薬剤投与関連 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
持続点滴中の利尿剤の投与
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 抗けいれん剤の臨時の投与
抗精神病薬の臨時の投与
抗不安薬の臨時の投与
皮膚損傷に係る薬剤投与関連 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整

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